シラス台地の笠野原は雨が降ってもすぐ地下に吸いこまれ、長い間耕作できなかったが、江戸時代頃から少しずつ開発されてきました。 井戸は生活用水が不足するために掘ったもので、現存する何箇所かの井戸のうち最も原形をとどめています。 掘られたのはだいたい文政年間から天保年間ごろと考えられています。(1818~1841年) 井戸の深さ約64m、表面の直径は約90㎝、円筒形の素掘りです。この井戸は笠野原台地の開発の苦難の歴史を物語る貴重な遺物です。
(昭和57年5月7日指定)